合格率は少しアップ
法務省より、土地家屋調査士試験(筆記試験)の合格が発表されました。
⇒ 平成27年度土地家屋調査士試験筆記試験の結果等について(法務省)
各会場の合格者の受験番号をカウントしたところ、今年の合格者数は405人だと思われるので、発表されている択一受験者数を元にして合格率を計算すると次のようになります。
合格者数 | 受験者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
H27 | 405 | 4568 | 8.87 |
H26 | 407 | 4617 | 8.82 |
H25 | 412 | 4700 | 8.77 |
また、対出願者の合格率は次のとおりです
合格者数 | 出願者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
H27 | 405 | 5659 | 7.16 |
H26 | 407 | 5754 | 7.07 |
H25 | 412 | 6017 | 6.85 |
いずれの合格率も最近の傾向どおり、微増ということになりました。
せっかくなのでいろいろ分析してみた
法務省からいろいろデータが公開されたので分析してみました
択一の逃切り点は18問だった
総合合格点73.5点-書式足切り点30点=43.5点
択一は1問2.5点なので、今年の択一逃げ切り点は18問ということになりました。
つまり、択一を18問以上合格すれば、書式は足切り点(30点)を越えるだけで合格できるということになります。
逆に言うと択一で19問以上をとっても合否には無関係でした。
足切りは29人
総合合格点の73.5点以上をとっている人が434人います。合格者数は405人なので、択一か書式(記述式)で基準点に満たなかった者(いわゆる足切り)は29人となります。
マークミスなどの可能性もあるので一概にはいえませんが、このうち大部分は書式(記述式)の足切りだと思われます。
今年はさらに総合点勝負の傾向が強くなった
筆記試験合格点は73.5点でした。このうち、多肢択一式で32.5点、書式で30点が基準点(足切り点)だったので、両方の足切り点をクリアしていたとしても、そこから11点も上積みする必要がありました。
足切り点は低く設定され、総合点勝負の傾向がますます強くなったといえるでしょう。
書式は実力者でも得点が安定しないものなので、短期合格には択一が重要であるということが再確認される試験結果となりました。
※ 11/14 法務省の発表で一部訂正があったので内容を修正しました。なおこれによる合否への影響は無いとのことです。
結局2階?3階?
平成27年度の書式(建物)では、2階なのか3階なのかで予備校の見解が大きく分かれました。階数が違えば建物図面や各階平面図、申請書に至るまで回答内容が大きく変わるので大きな議論となりました。
そこで合格発表があったので、身近なところで受験者に話を聞いてみたのですが、結局どちらが正解扱いだったのかよくわかりませんでした。
2階か3階かが問題なのではなく、どちらの階数で判断しても各図面と申請書の整合性が取れているのであれば、きちんと採点対象になったのかもしれません。そうであるならば、2階と判断したほうが図面は書きやすかったので、結果として2階のほうが有利であったといえるかもしれません。
やはり3階建とした人のほうが点数がのっているものの、2階建としても思ったほどは減点されていないという印象を受けます。
(ただし正答は発表されないので真相は闇の中です。機会があればもう少し情報収集したいと思います。)
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