答案用紙のサイズを測って平成26年の第21問について考えてみた

H26答案用紙 学習方法の検討

平成26年の第21問では省略記号を用いて右半面に記載することが求められた

平成26年の第21問(土地の問題)では、地積測量図への明示を求められた基準点が右半面に収まらないため、省略記号を用いて記載する必要がありました。

地積測量図はできる限り用紙の右半面に作図をし、求積方法等の記載は、右半面の余白又は左半面にする(昭52.9.3民三第4472号通達)

毎年土地家屋調査士の問題は専門家の間でも見解が割れるような問題が散見されますが、この問題についても多少の見解の相違があります。
通達をそのままとらえるのが素直な解答だと思いますが、紙でファイリングされていた時代の通達なので有効性を疑問視する声も一部であります。
そこで、実際に受験した人の解答内容でどのくらいの点数があるのかを振り返りながら確認していきましょう。

問3では、甲区に「合併による所有権の登記をする旨」、乙区に「地役権の登記を移記される」ことだけ書けた
申請人欄に誤って添付書類を書いてしまった
省略記号を使用せず右端に基準点T3を書いたため、図面が左半面にはみ出してしまった
それ以外の申請書や図面、求積等はおおむねできた

これで土地は25点満点中19点だったそうです。

減点となったポイントを見ていくと、申請人欄は登記記録を読み取る力を試された問題であり、多くの人ができるところなので配点が高かった可能性はあります。他にも細かいところで減点が積み重なっているところがあるのかもしれませんが、思ったほどは点数が伸びていなくて驚いたとのことです。

一方で、同じように左にはみ出した人で、思ったほど減点されていなかったという話もあります。はみ出る度合いにもよるのかもしれませんし、実際のところはよくわかりませんがどちらにしても減点はされていたという認識はあるようです。

したがって、平成26年度に関して言えば、結果として省略記号を用いて記載することが求められていたと考えます。

答案用紙の記載面のサイズは年度によって異なる

地積測量図を用紙の右半面に作図をするためには、どのくらいのサイズまで右半面に収まるかをある程度数字で把握しておき、プロットする点の最大最小の差を算出して確認する必要があります。
そこで答案用紙の記載面サイズを把握する必要があるのですが、予備校によって大きさはまちまちで、同じ予備校でも媒体が異なるとサイズが違っていたりします。
一番重要なのは実際の本試験ではどうなのよ?ということなので、法務省により公開されている平成23~平成26年までの答案用紙のPDFを元にして、答案用紙の記載面のサイズの中に何メートルまで収まるのか調べてみました。調べた条件は以下のとおりです。

A3サイズは縦42センチ、横29.7センチと考える
法務省の答案用紙PDFを正とし、スキャン時の誤差など考慮しない
すべて縮尺250分の1としてメートル表示で考える
細かいことは気にしない

法務省:土地家屋調査士試験のページ

平成26年、平成25年、平成24年の場合

平成24年から26年までは、多少の誤差はあるものの、ぎりぎり計測でおおよそ縦は50m、横は36mの幅があったようです。下記の答案用紙図面は平成26年度本試験第21問のものです(法務省のページPDFより)。平成26年第21問では、2つの基準点のY座標の最大最小の差が39.8mであり、省略記号を必要とする問題であることがわかります

H26答案用紙

平成23年の場合

土地所在図及び地積測量図を記載せよというやや特殊な問題でした。縦は約44mと、例年よりかなり小さい記載面だったようです。中央のラインが無く、横幅は計測不能でした。

まとめ

記載面のサイズは一律ではありません。おおよその目安として縮尺250分の1の場合、横幅は35m程度と認識しておけばいいでしょう。答案用紙が配られた際にはいろいろな情報が嫌でも目に入ると思いますので、土地の答案用紙のサイズ感は自己責任でしっかり確認しておきましょう。
平成26年度本試験で、はじめて省略記号が出題されました。土地家屋調査士試験の長い歴史の中でたった一度きりのことなので、重要な論点とは言えません。したがって連続で出題される可能性は低いですが、図面はしっかりと記載面中央に書いたほうが見栄えがいいので、サイズ感を把握しておくのは大切なことです。

東京法経学院

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