独学で土地家屋調査士を目指す場合に準備すべきもののまとめ

勉強する女性 学習方法の検討

独学で合格を目指す前に理解しておくべきこと

調査士連合会の受験者アンケートによれば、独学で受験した人の割合は43%です。
積極的に独学をおすすめするものではありませんが、実際に独学で挑んで合格される方も多数いらっしゃるのも事実です。何をもって「独学」とするのかは個人の主観的なところが大きいですが、ここでは通年で行われる基本講義や答練を受講しない勉強方法と位置づけたうえで、合格するために必要なものや、勉強方法を提示します。まずは独学ですることのメリットとデメリットを把握しましょう。

独学でのメリット

独学でのメリットは、なんといっても金銭的に有利だということでしょう。予備校を選択した場合、答練抜きで通年の基本講義だけ受講したとしても20万円前後はかかってしまいます。一方、独学なら5万円程度におさえることは可能です。

※ 金銭的メリットがどれだけあるかよく考えよう
例えば税理士の教材は陳腐化が激しいです。これは、税法が毎年のように改正されるためです。
しかし、調査士の試験範囲である不動産登記法や調査士法といったところは、そう頻繁に改正されるものではないので合格後に教材を売却しようとしたらそれなりの金額がつき、投資分のいくらかは戻ってくる可能性が高いです。これらを踏まえたうえで、独学により必要な努力や時間を天秤に掛ける必要があります。

独学でのデメリット

・勉強方法の確立の困難さ
・書式問題(電卓、作図)のとっつきにくさ
などが挙げられます。

しかしご安心ください。このサイトにはこれらのデメリットを解消するための様々な記事があります
学習方法の検討

これらを踏まえたうえ、おすすめの教材をご紹介します。(紹介していないものはダメというわけではありませんのであしからず)。

基本テキストは『調査士合格ノート』を利用しよう

独学の場合、使用できる基本テキストは限られています。その中でおすすめは『調査士合格ノート』(東京法経学院)です。

調査士合格ノート1 上(新訂二版) 不動産登記法編
調査士合格ノート1 下(新訂二版) 不動産登記法編
新版 調査士合格ノート2 民法・調査士法編[改訂二版]

『調査士合格ノート』のメリット

基本テキストと問題集を同じ予備校のものに揃えるということは、意外に重要なことです。特に初学者は、表現の方法が異なると混乱して勉強するのが辛くなってきます。後述しますが択一問題集は東京法経を使用するので、基本テキストも東京法経でそろえるべきです。

『調査士合格ノート』のデメリット

法令をベースに記述されているので無味乾燥な傾向があり、初学者がこれだけを読み進めていくのはなかなかの苦行です。間違っても暗記していこうなどと考えてはいけません。一つの章をさらっと目を通して、どこに何が書いてあるのか確認し、該当する章を合格データベースから探しだして即座に問題を解くというのが正しい利用方法と考えます。

目次が合格データベースと共通していないのが痛いですが、タイトルは似通っているので探しだして問題を解いていきましょう。

基本テキストは絶対に乗り換えてはいけない

独学を決めて基本テキストを選択したら、絶対に最後までそのテキストを使いましょう。おすすめするテキストなら間違いないはずです。基本テキストを乗り換えるのは、走っている車から止まっている車に飛び移るぐらい危険な行為です。窓から見える別の車が美しく見えても、飛び移れば大怪我し、ゼロからの出発になります。

ひとたび独学で基本テキストを進めたのであれば、新しく予備校で基本講義を受け直すこともやめましょう。ただし、答練は別物なので、基本部分は独学し予備校の助けを借りて答練で実戦力をみがくというのはありです(その時点で独学じゃなくなっちゃいますけどね)。

街並み

主戦場となる択一のおすすめ問題集

近年では、択一の重要度が増してきています。
択一の「逃げ切り点」は合格への最短ルート!
択一で逃げ切りに必要な知識を身に付けたということは、書式においても知識の素地はでき上がっているということなので、書式の学力もスムーズに上昇します。
そこで、択一の学力を確実にあげるにはどの教材を使えばいいのかが問題になります。

試験問題の持ち帰りが認められたのは平成11年度以降

土地家屋調査士試験の歴史は古いですが、試験問題の持ち帰りが認められたのは平成11年度以降です。そのためほとんどの予備校は、それ以降の問題しか収録していません。そのような中で、老舗の東京法経学院は古くから試験問題を再現し、蓄積があるため一日の長があります。択一問題集に関しては、東京法経学院を選択しましょう。

おすすめは肢別問題集『新 調査士合格データベース(第7版)』

問題に取り組むのが遅くなれば遅くなるほど、合格も遅くなります。初学者がいきなり択一の問題を解くには『新 調査士合格データベース』を利用しましょう!
利用しない人は損している。『新 調査士合格データベース』は短期合格の必携書

サブとして利用したい択一教材

メインの択一問題集は合格データベースですが、本試験形式の問題にも慣れるため、

新版 調査士択一過去問マスター1(第四版)
新版 調査士択一過去問マスター2(第四版)

が必要になります。合格データベースが2,3回転できたら、一度取り組んでみましょう。択一過去問マスターにしか載っていない問題もあり、解説も異なっているので知識の確認になります。残念ながら第四版から大幅に古い年度の問題がカットされましたが、昭和の重要問題も残されています。

書式の勉強で購入すべき問題集

古い過去問に取り組むために東京法経学院の『年度別過去問解説集』か『新版 調査士書式過去問マスター』を必ず購入しましょう。あわせてサブとしてLECの『分野別書式過去問題集』と日建学院の『土地家屋調査士 記述式過去問』を購入しましょう。
書式の勉強で、過去問を最優先にすべき3つの理由

街並み

必要なものまとめ

おすすめしているのはほとんど東京法経学院のものになりました。老舗の東京法経学院は過去問の蓄積がある点で有利だし、六法は他に選択肢もなく必然的に東京法経学院の教材率が高まります。東京法経は、合格後のサポートなど調査士業務に対する真摯な姿勢も好感が持てます。紹介したものがすべてではなく、他の出版社、予備校からも新たな教材が順次発刊されるので、上手に取捨選択して利用しましょう。

基本テキスト

調査士合格ノート1 上(新訂二版) 不動産登記法編
調査士合格ノート1 下(新訂二版) 不動産登記法編
新版 調査士合格ノート2 民法・調査士法編[改訂二版]

六法

調査士受験必携六法(東京法経学院)
調査士受験に特化された六法。『調査士受験必携六法』

択一対策

新 調査士合格データベース(第七版) 全6冊(問題編/解説編各3冊)
利用しない人は損している。『新 調査士合格データベース』は短期合格の必携書
新版 調査士択一過去問マスター1
新版 調査士択一過去問マスター2

作業着の女性

書式対策

年度ごとに勉強するのか、登記の目的ごとに勉強するのかによって『年度別過去問解説集』か『新版 調査士書式過去問マスター』のどちらかを購入しましょう。

『年度別過去問解説集』(東京法経学院)
調査士 年度別過去問解説集(上) 平成17年度~平成25年度
調査士 年度別過去問解説集(下) 平成元年度~平成16年度

『新版 調査士書式過去問マスター』(東京法経学院)
新版 調査士書式過去問マスター1 <土地編>
新版 調査士書式過去問マスター2 <建物・区分建物編>

他校の解説を併せて読めば理解がさらに深まります
15分野別 過去問題集【レジュメ販売】(LEC)

申請書対策

申請マニュアル(東京法経学院)
『申請マニュアル』の重要様式を抽出して勉強法を検討してみた

参考書

地目認定(民事法務協会)
建物認定(民事法務協会)
合格後も手元に。『地目認定』『建物認定』

その他 必要な文房具

おすすめ文房具

残念ながら独学で不合格になった場合について

独学を紹介するページでこんなことを書くのもどうかと思いますが、実際には2、3年で合格する方のほうが多いのであえて書きます。

独学で不合格になった場合には、そのまま独学を続けるのか、予備校の講座を利用するのかを再考する必要があります。もし予備校講座の利用を考えるのであれば、LECのスーパー特訓講座(通信)をおすすめします。スーパー特訓講座は一定の訓練を積んだ中上級者を対象に、講義中に特訓時間を設けて半強制的に訓練を積む講座です。独学ではなかなか習得しづらい関数電卓や問題文に対する向き合い方などの極意を身につけることができます。1年間独学で基礎を積んだ方には非常に相性のいい講座です。

その場合にも、前年に利用していたテキスト等はそのまま利用しましょう。
土地家屋調査士の神講座。LECスーパー特訓講座(通信)で半強制的に合格レベルへ到達しよう!

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