土地家屋調査士には理系と文系のどちらが有利なのかを考えてみた

文系少女 調査士の概要

理系と文系ではどちらが有利なのか

土地家屋調査士は法律家としての文系的な側面を持ちながら、一方で現場で測量して計算し図面を作成するという理系的な側面も有しています。そこで土地家屋調査士をめざすのであれば理系がいいのか、文系がいいのかを考えてみました。

実際には、理系のほうが多い

現実ではどうなのかを見てみると、統計的なデータはありませんが、理系のほうが多いように思います。ただし、文系の人も大勢いるし、理系でないとできないような試験内容、業務内容でもありません。

そこで、ここでは試験上どちらが有利なのか、業務上どちらが有利なのかを分けて考えてみました。

試験的には、有利不利はあまりない

土地家屋調査士の試験にも、文系的な要素と理系的な要素が混在しています。そこで、試験に合格するには、どちらが有利なのかという問題も発生するのですが、試験上では有利不利はないと考えます。

なぜなら、必要とされる法的な知識の中でも最重要視されるのは不動産登記法ですが、実学である不動産登記法を教える大学の学部はほとんど無く、みんな横一線からのスタートだからです。

また、試験上で必要とされる数学も、ごく限られた部分でしか無く、ある程度勉強が進んでくればあとは電卓のボタンをどう押すかだけの問題になってしまうため、理系にそれほどのアドバンテージが有るとも思われません。

自分が文系の人間である、理系の人間であると決めつけてしまって、試験に挑戦することを戸惑わないようにしましょう。

業務上は速効性の理系、持続性の文系

最近はトータルステーションの精度が高まり、自動追尾、自動視準、ノンプリズムなどさまざまな便利な機能が追加されています。

そのため昔ほど測量技術の差が出にくい状況ではありますが、測量技術の基本的なところがしっかりしていないと、思わぬ誤差やミスが発生し、取り返しの付かないことになってしまいます。
おおもとの数字がいい加減なものだと、その後もきちんとした仕事のしようがないのです。

法的な解釈や申請書の書き方、添付書類の中身などは登記官などに相談し教えてもらえば解決できることもありますが、測量技術はどうしようもありません。したがって、文系出身で測量技術が未熟な人は、いきなり独立するのではなく、他の事務所で実務経験を積んだり、東京法経の測量実習で一定の不安が解消するまで訓練を積む必要があります。

その点、理系であれば、内容にもよりますが、資格をとってすぐに開業することも可能でしょう。そういう意味で速効性は理系に軍配が上がります。

一方で、将来的に行政書士や司法書士への進出を視野にいれるのであれば、文系(とくに法学部)にアドバンテージがあると言えます。土地家屋調査士の業務をしながら法学の勉強を一からするのは非常に困難だからです。

まとめ

試験上も、業務上も、あまり理系・文系と区別する必要はありません。
いずれにしても、土地家屋調査士の看板を掲げる以上は、土地家屋調査士の良し悪しは、測量技術で決まるところが大きいということを肝に銘じて、測量技術の習得に力を注ぎましょう。


測量実技教科書-厚生労働省認定教材

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